北海道旭川工業高等学校 自動車科 2年
豊村 勇太
私の出発点と終着点
「モトクロス」これは、私の出発点。「スタントマン」それは、私の夢の終着点である。私は十年前、小学生の頃にX-gamesを見ていた。幼い頃の自分に焼き付いた感動と興奮は今でも鮮明に覚えている。その時、私の目と心に映っていたのは、バイクとそれに跨り悪路を駆け抜けていった一人のライダーだった。彼の競技は「モトクロス」。私は、そのトップライダーであった選手に魅了されてしまい、この出会いが私の原点なった。
中学生になり、総合学習で夢について考えるという授業があった。私は、その時に、モトクロスではなくスタントマンについて調べた。モトクロスを調べた時に「映画では、危険な撮影は、スタントマンを起用する」と記載されていたのを思い出したからである。そうして調べていくうちに、しだいにスタントマンへ憧れるようになった。
スタントマンというのは、人に夢を与える仕事だと思う。なぜなら、人々の想像を現実にし、人々が求めるスリルに対する歓びを与えられるからだ。それなのにどうして日本ではあまりメジャーではないのか疑問に思った。それは、死んでしまうかもしれないという危険と隣合わせであり、保険が効かないという大きなリスクが伴うことが原因のようだ。そのためスタント人口が増えず日本では低迷している。このような現実を知った時私は、この現実を変えたい、自分の力でスタントの世界に足を踏み入れ、確かめたいという思いを抱いた。
そんなある日、私はスタント業界の方と会う機会があった。私がスタントマンになるのが夢だと話すと、その方は「もしできるなら日本ではやらずに外の世界・つまり海外でやること、苦労は必ずするし挫折もすると思う。しかし、考えを持っているならばその方が確実にスタントマンとしての力が付く」とのアドバイスをしてくれた。そうして自分の気持ちが固まり、高校一年生の頃に見た「スーパークロス」という映画が私の方向を決定づけた。そしてこの映画を見たことにより私は、スタント自体日本ではなく本場であるアメリカでやりたい。自分を試してみたい、「限界を超えてみたい」と感じた。なぜなら日本のようにスケールの小さい世界でやるより、スケールの大きいアメリカでやる方が、業界の方が言っていたように自分の夢が掴める、日本のスタントの現状を変えることができると思ったからである。
私はスタント界に入るために様々なことを考えてきた。そして旭川工業高等学校の自動車科に入学した。スタントにはバイクや自動車などを使うものが多く、それらのメンテナンスを自分でするため、専門的な知識と技術が必要だと思ったからである。スタントの幅を広げるため私はスノーボードのボーダークロスという競技を行っている。クロスでは対人で体の競り合いや衝突があるのでスタントの恐怖に慣れるために行っている。私は英会話教室にも通った。しかしネイティブな英語ではなく、簡単な単語でしか会話しない。そのため今回の留学で私の一番の壁である語学と文化を肌で感じ、取り入れたいと思っている。現在世界で活躍しているスタントマンは語学に堪能で、どこへ行ってもコミュニケーションを取ることができる。そして見知らぬ土地でもすぐに順応することができる。これこそが私自身が身につけなくてはならないことであり、「限界を超える」ということに深く関連すると思っている。
北海道には、私と同じ夢を持つ者が多くいると思われる。そのために私が夢を叶え同じ夢を持つ者の架け橋になり、その道を切り拓くことが私の最終的な終着点だと考えている。そして、将来私はロサンゼルスを拠点にすることを決めているので、この留学によりロサンゼルスの情報を集め、生活環境に慣れたいと思っている。そして、ロサンゼルスでの生活準備を進めたいと思っている。