「アメリカで体験したいこと〜地球人、日本人として」
北星学園余市高等学校2年 藤谷拓馬
今の時代はとても混乱した時代だと思う。森林は伐採され、砂漠は広がる。地球の温度があがるにつれ、南極の氷は溶ける。人口増加が深刻化し、食糧危機がささやかれる。
ジョンレノンが歌った平和は無く、カタチだけの平等が巷を賑わせている。ズルをするものがてっぺんに上り詰め、幸せを信じるものは銃で撃たれるようなことがいくらでもある。
誰もはっきりとした答えを出せない問題が山のようにある。ヒトはこれからこれらの問題を解決しなくてはならない。そのためには一人一人が自分は地球人だということを意識しなくてはならないし、時には協力して行動を起こしていかなくてはならないと僕は思っている。そのなかで、日本人は地球人であるという意識が低すぎる気がする。
具体的な理由を述べると、選挙での投票率があまりにも低い。日本の政治不信は大きいはずなのに、なぜか大人は選挙の日になると傍観者になる。結局は自分達の事だと思ってないのかもしれない。自分達のことさえ意識できない日本人が世界の事を意識できるはずが無い。
もう一つは、日本語以外の言語をしゃべれる日本人が少ないということ。日本語しかしゃべれない人間は日本でしか生活できないと思う。日本でしか生活できないのに世界のことを考えろと言われても無理な話である。
僕自身は僕の持っている日本人像を破りたいと常々思っている。英検を受験したり、自分でペーパーバックを訳してみたり、英語を習得のために努力を続けている。そして、なんでもしっかりと自分でものを考え、決めることができるように、興味のあることには積極的に取り組んできた。そんな僕の成長過程のなかで、今回のアメリカ行きは大きなステップになると思う。
僕はまだアメリカはもちろん海外に出たことがない。しかし、僕には海の向こうに知りたいことがいっぱいある。例えば、時差とはどういうものなのか、よく言われるめちゃくちゃ多い食事の量とはどれほどなのか、本当に家の中でも靴を履いているのかなど。中でも特に、アメリカ人はどういう思想をもって日常生活を過ごしているのかが一番知りたい。資本主義の本拠地のようであり、今もまだ戦争を止めない国であり、日本の同盟国でもある国であるアメリカ。世界の中でもっとも影響力のある国の国民2億人はいったい何を考えているのだろう。それを僕は知りたいと思うし、地球人として、日本人として知らなくてはならないと思う。
そのような僕の考えの根底を流れている思いというのは、アメリカは日本に基地を置いている国だというのがある。僕は2007年の10月に沖縄に修学旅行に行ってきた。沖縄には60年も前の戦争の姿が信じられない程ありありと残っており、ものすごいことがこの地で起こったんだと肌で感じた。そして、それを起こしたアメリカはまだ他の国で戦争を続けていて、沖縄には基地を置き、銃を積んだ飛行機を日本の空に飛ばす。僕はそのことに対して怒りや悲しみではなく、疑問が先に出てきた。戦争とはなんなんだ、沖縄戦とはなんだったんだ、アメリカや日本は何を考えているんだ。そのようにして、僕の思いは膨らんでいった。アメリカは日本の同盟国だ。日本に基地を置く国だ。日本人としてその国のことを考えることはとても自然なことだった。
様々な思いの中で僕がアメリカを訪れて知っていく事は、きっと驚きや戸惑いに変わることの連続だろう。僕はその驚きや戸惑いを欲しているのだ。自分の価値観がぐらっと揺らいで、日本での生活では気が付かなかった影の部分が日に直接照らされるような体験をしてみたい。そんな体験の後では、今よりも広い視野で世界を見ることが出来るだろう。それは僕の大きな成長になる。アメリカで学んできたことを糧に、今後の地球を、そして日本、北海道を担っていく一人になりたい。大きな希望と可能性を胸に。